つけると同時に、それがグリゴリイに向けられたものだと悟りながら、フョードル・パーヴロヴィッチが聞いてみた。
「今の話でございますが」と、スメルジャコフは、突然大きな声で思いがけないことを言いだした。
「その感心な兵士のしたことはなるほど偉いには違いありませんが、そんな危急な場合にはその兵士がキリストの御名と自分の洗礼を否定したからといって、いっこう罪にはならないだろうと思います。そうしますれば、このさきいろいろ良い仕事をするために、自分の命を全うすることができますし、またその良い仕事で長の年月のあいだには、自分の無分別な行為も償うことができるではありませんか」
「どうしてそれが罪にならないのか? ばかなことを言え、そんな口をきくとまっすぐに地獄へ突き落とされて、羊肉のように焙《あぶ》られるぞ」フョードル・パーヴロヴィッチが口を入れた。ちょうどこの時、そこへアリョーシャがはいって来たのである。フョードル・パーヴロヴィッチは、前にも述べたように、アリョーシャを見てむしょうに喜んだのである。
「おまえの畑だ!」と彼はアリョーシャを席につかせながら、忍び笑いをしたものである。
「羊肉のことです
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