出た甘いものを届けてやったりしたこともあったが、なんだか無関心な眼で子供を眺めていた。ところが病気の話を聞くと共に、急にこの子供のことを心配しだして、医者を迎えて治療にかかったけれど、治療の見込みはないということがわかった。発作は一月に平均一度ぐらい襲ってきたが、その期間はさまざまであった。また発作の程度もまちまちで、ときには軽く、ときには非常に激烈であった。フョードル・パーヴロヴィッチはグリゴリイに向かって、子供に体刑を加えることを厳しく禁じた。そして子供に上の自分の部屋へ出入りすることを許した。また、どんなことにもせよ、物を教えることも当分のあいだ差し留めた。ところが、ある時、子供はもう十五になっていたが、フョードル・パーヴロヴィッチは彼が書棚の辺をうろつき回って、ガラス戸ごしに本の標題を読んでいる姿を見た。フョードル・パーヴロヴィッチのところにはかなりたくさん、百冊あまりも書物があったけれど、彼が書物を読んでいるのを見た者は一人もなかった。彼はさっそく戸棚の鍵をスメルジャコフに渡した。「さあ、読め、読め、庭をうろつき回っているより、図書係りにでもなったほうがましだろう。坐って読む
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