どうなすったんです! そりゃお嬢さん、あんまり虫がよすぎますぜ。百や二百の金なら、こちらから喜んで差し上げもしましょうが、四千ルーブルといえば、そう楽々おいそれと投げ出せる金じゃありませんからね。ほんとにむだな御足労でしたよ』とさ、しかし、こんなことを言ったら、もちろん、おれは何もかもなくしてしまっただろうし、令嬢は逃げ出してしまったに違いない。が、その代わり、思いきり悪がきいて腹いせにもなって、いっさいを償って余りがあるだろう。一生涯後悔の念に苦しむかもしれないが、とにかく、今はこの手品がやってみたくてたまらないのだ! おまえは本当にしないだろうが、こんな瞬間におれが相手の女を憎悪の念をもって眺めるなんてことは、どんな女に対してもけっしてありはしなかった。ところが誓って言うが、その時ばかりは、三秒か五秒のあいだ、恐ろしい憎悪をもってあの女を見つめたのだよ。しかしその憎悪が恋、気ちがいじみた恋と、間一髪をいれないものだった! おれは窓に近寄って、凍《い》てたガラスに額を押し当てた。氷がまるで火かなんぞのように額を焼いたのを覚えている。心配するなよ、長く待たせはしなかったよ。おれはくるり
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