とき、人のことを悪く言わないほうだが、この娘くらい美しい性質の女性はついぞ他に見たことがないよ。アガーフィヤっていうんだがね、アガーフィヤ・イワーノヴナと。それに器量もロシア趣味でなかなか悪くなかった――背が高く、まるまるふとって、顔は少々粗野だったかもしれんが、眼の美しい女だったよ。二度ほど縁談があったけど、断わってしまって嫁入りはしなかったが、それでいて、いつも朗らかさを失わなかった。おれはこの娘と仲よしになったんだよ――といっても、別にわけがあったのじゃない。いや、潔白なもので、いわば友だちとしてだよ。実際、おれはよくいろんな女と全く純潔な友だちづきあいをしていたものさ。で、その娘にもずいぶん露骨な、はっとするようなことまでしゃべり散らしたものだが、娘はただ笑っているばかりなんだ。たいがいの女は露骨なことを好くものなんだぜ、ね。それにこの女は処女だったから、それがひどくおれを浮き立たせたんだよ。まだそのうえ、この娘はどうしたってお嬢さんと呼ぶわけには行かなかった。というのは、彼女の父のもとにあって伯母さんといっしょに常に自分から自分を殺すようにして暮らしていて、一般社交界へ肩を並
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