だ。金は両手ですくって投げてやる、音楽だ、騒ぎだ、ジプシイだ。必要があればそんな連中にも金をやる。すると取るわ、取るわ、気ちがいのようになって取る、これはおれも認めなくちゃならない。しかもみな満足してお礼を言うよ。奥さん連もおれを可愛《かわい》がってくれたよ。皆が皆というわけではないが、そんなこともあったっけ、よくあったっけ。だが、おれはいつも路地が好きだった。広場の裏の、暗い寂しい、曲がりくねった小路が好きだったよ、――そこには冒険がある、思いもかけぬことがある、泥の中に隠れた鉱石がある。いや、おれが言っているのは譬喩《たとえ》なんだよ。あの町には、実際に形をそなえた、そんな路地なんかありゃしなかったが、精神的な路地があったのさ。だが、おまえがおれのような人間だったらこの路地の意味がわかるんだけど。おれは放蕩を愛した、放蕩の恥辱をも愛した。そして残忍を愛したのだ。これでもおれは南京虫《ナンキンむし》じゃなかろうか、あの有害な虫けらでは? なにしろカラマゾフだからなあ! ある時、町じゅう総出でピクニックをやったことがあるよ。七台の三頭立橇《トロイカ》で出かけたんだ。冬のことだったがな、
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