に、すでに、口をすべらせてしまった愚かなことばに、なおいっそう愚かしさが加わっていくばかりだ、ということをよく承知していたけれど、もう自分で自分を制することができず、まるで急坂をくだるように突進してしまったのである。
「なんというけがらわしいことだ!」とミウーソフが叫んだ。
「お許しください」と突然、院長が言った。「古《いにしえ》からのことばに『人々われにさまざまなることばを浴びせて、ついには聞くに耐えざるけがらわしきことすらも口にす。われかかることばをも忍びて聞く、これキリストの医術にして、わがおごれる魂《こころ》を矯《た》めんがために、おくられたるものなればなり』とあります。それゆえわたくしどもも、このうえなく貴《とうと》いお客人たるあなたにつつしんでお礼を申し上げます」そして彼は腰を深くかがめてフョードル・パーヴロヴィッチに会釈した。
「ちぇっ、ちぇっ、ちぇっ! 偽善と紋切り型だ! 紋切り型の文句と所作だ! 古臭い嘘っぱちと頭を地べたにくっつけるお辞儀の繁文褥礼《はんぶんじょくれい》だ! そんなお辞儀は先刻承知の助だよ! 『唇に接吻、胸に匕首《あいくち》』とシルレルの『群盗』の中
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