さえそこなうほどに至った、とりわけ長老は懺悔の神秘を濫用するなどということであった。この非難はばかばかしいものであったから、この町ばかりでなく全体にわたって、自然といつの間にか消滅してしまった。ところがフョードル・パーヴロヴィッチをつかまえて、本人の神経をかりたてて、いずことも知らぬ汚れの深みへ、しだいに遠く連れて行く愚かな悪魔が、この古い非難を彼の耳に吹きこんだのであるが、しかも当のフョードル・パーヴロヴィッチにはこの非難の意味が初手からわからなかったのである。で、それを正確に言い現わすこともできなかったし、おまけに長老の庵室では誰ひとり膝をつくものもなければ、大きな声で懺悔するものもなかった。したがって、フョードル・パーヴロヴィッチはそんなことを目撃するはずは全然なく、ただうろ覚えの古い風説や讒誣を種にしゃべりだしただけの話である。しかしこの愚劣な話をもちだすと同時に、うっかりばかなことを口外したなと気がついたので、自分の言ったのはけっしてばかげたことでないということを聞き手に、というよりはむしろ自分自身にさっそく、証拠だてようと思ったのである。彼は自分でもこのさき一語を加えるごと
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