いた猫より下劣だ。以前あの女は何か後ろ暗い、酒場に関係したことで、親父さんに雇われていただけなんだが、いまごろ急にその容色に気がついて、狂気のようにのぼせあがって口説《くど》きおとしにかかったんだ、もちろん、その口説も真正直なものではないさ。だから、この二人は、――親父さんと兄さんとは、どの道、衝突せずにいられないよ。ところがグルーシェンカのほうは、どっちつかずの曖昧《あいまい》なことで二人をごまかして、両方をからかってるんだ。そして、どっちが得だか日和見《ひよりみ》をしているのさ。なぜって、親父さんのほうからは金が引き出せるけれど、その代わり結婚はしてくれず、とどのつまりは、ユダヤ人式のやり口で、財布《さいふ》の口を締めてしまうかもしれない。こうなるとミーチャにも独自の価値が生じてくる。金はないが、その代わり結婚することができる。そうだ、結婚することができるのだ! 自分の許嫁の、比類まれな美人で、金持ちで、貴族で、大佐令嬢たるカテリーナ・イワーノヴナをすてて、町長のサムリノフという狒々爺《ひひおやじ》の小商人に囲われていた、グルーシェンカと結婚するんだ。こうしたすべての事情から、本当
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