んて……ねえ、アリョーシャ、よござんすか、わたしは結婚したらさっそく、あなただって、こっそり監督してあげることよ。そればかりか、あなたの手紙をみんな開封して、すっかり読んでしまうわよ……前もって御承知を願っておくわね……」
「もちろん、そうしたいのならしても結構……」とアリョーシャはつぶやくように言った。「だが、いいことじゃありませんね……」
「まあ、なんという見下げようでしょう! アリョーシャ、後生だから、のっけから喧嘩なんかするのよしましょう、――わたしいっそ本当のことを言っちまうわ、もちろん、立ち聞きするなんてよくないことだわ、もちろん、わたしのが間違っていて、あなたのおっしゃることが本当よ。だけど、わたしやっぱり立ち聞きしますわ」
「じゃあ、なさいとも。だが、僕には何もそんな後ろ暗いことがありませんからね」とアリョーシャは笑いだした。
「アリョーシャ、あなたはわたしに従うつもりなの? そんなことも前にちゃんと決めておかなくちゃならないわ」
「僕は、喜んでそうしますよ。だけど、根本の問題は別ですよ。根本の問題については、もしあなたが僕に一致しなくっても、僕は義務の命ずるとおりに行なうから」
「それはそうなくちゃならないわ。ところでね、わたしはその反対の根本の問題についても、あなたに服従するのはもちろんだし、万事につけてあなたに譲歩するつもりでいますわ。このことは、今あなたに誓ってもいいわ――ええ、万事につけて、一生涯」とリーズは熱情をこめて叫んだ。
「わたしそれを幸福に思うわ、幸福に思うわ! そればかりでなく、わたし誓って言うわ、けっしてあなたの話を立ち聞きなんかしません、一度だってそんなことをしませんわ。あなたの手紙も一通だって読みゃしません。だって、あなたがどこまでも正しくていらっしゃるのに、わたしはそうでないんですもの。もっとも、わたしはひどく立ち聞きしたくてたまらないんですが(それはわたしにもわかっています)、でもやはりしませんわ。だって、それが卑しいことだってあなたはおっしゃるんでしょう。今、あなたはいわばわたしの神様みたいな人よ。……ところで、アレクセイさん、いったい、あなたはどうしてこの二、三日――昨日も今日も浮かない顔をしてらっしゃるの。いろんな心配があなたにおありになることは知ってますけれど、そのほかに何か特別な悲しみがあるようにも見えてよ―
前へ 次へ
全422ページ中325ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
ドストエフスキー フィヨードル・ミハイロヴィチ の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング