る処ですから、細い帯を横に結んで居《をり》ます。
時が夕景のものであるから成るべく涼しげな感じを起させることに努めました。水のやうな青い蚊帳と服装の配合も凡て此涼しげと云ふのが元になつて居ります。この涼味を表すと同時に下品に陥らぬ様に注意したので模様なども成るべく上品なものを選びました。
服装の模様などは別に拠り所も何もありません。唯多く其時代に使はれて居さうなものを描いて見たまでです。要するにこの図はともすれば、廓の情調でも思ひ出させさうな題材を捉へて却つて反対に楚々たる清い感じをそそる様に、さらさらと描いたものです。
[#地付き](大正七年)
底本:「青眉抄その後」求龍堂
1986(昭和61)年1月15日発行
初出:「帝国絵画宝典」
1918(大正7)年7月
入力:鈴木厚司
校正:川山隆
2008年5月19日作成
青空文庫作成ファイル:
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