年齢に適した絵であれば、それで十分に尊いものであるのです。
十五歳にして七十歳の老大家のような枯れた絵をかいたら、それこそおかしいし、そのような絵は、無価値であると言っていいのです。
私のところへも、ときどき若い頃の画の箱書が廻って参ります。
私は、そのころの時代をなつかしみながら、
「これはこれでええのや」
心の中でつぶやきながら、だまって箱に文字をかきつけています。
底本:「青眉抄・青眉抄拾遺」講談社
1976(昭和51)年11月10日発行
入力:鈴木厚司
校正:小林繁雄
2004年5月8日作成
青空文庫作成ファイル:
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