記念展出品「土用干」東京三越展出品「夕べ」五葉会展第一回出品「春苑」東京高島屋展出品
同 十一年 「春宵」春虹会展出品「時雨」五葉会展出品「序の舞」文部省美術展覧会出品「秋の粧」京都表装展出品
同 十二年 「春雪」春虹会展出品「夕べ」学習院御用画
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「花ざかり」
制作表を見ておりますと、一つ一つの絵について、さまざまの思い出が心に浮かんでまいります。
明治三十三年に日本絵画協会へ出品いたしました「花ざかり」は、花嫁とその母とを描いたものでございます。その頃、私の家の本家の娘がお嫁入りすることになりました。昔のことですから、美容院などというものはなく、髪は髪結いさんに結《ゆ》ってもらいますが、お化粧は身内の者がいたします。
「つうさんにしてもろうたらよかろう」
私の名前はつねと申しまして、つうさん、つうさんと呼ばれておりました。そこで私は、三本足というて、襟足を三筋塗り残して、襟足を細《ほっ》そりみせる花嫁のお化粧をいたしてやりました。その折りに、身近に見る花嫁の高島田や母親の髪などをスケッチしたりしましてあの「花ざかり」ができたのでござい
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