奸計をあばくという筋なのです。

 この作品はぎりぎりの十月十二日に送り出して辛々《からから》間《ま》に合わせたのでしたが、随分|根《こん》をつめました。

 松篁は羊の絵を制作中でしたが、夜更になって、そっと松篁の画室の方をのぞいて見ますと電燈がついている、さてはまだ描いているなと思いまして、わたくしも負けずにまた筆を執るという工合で、母子競争で制作に励んだわけでした。

 松篁もなかなか熱心でしたが、さて出来栄えはどんなものですか――




底本:「青眉抄・青眉抄拾遺」講談社
   1976(昭和51)年11月10日初版発行
   1977(昭和52)年5月31日第2刷
初出:「大毎美術 第十六巻第十一号」
   1937(昭和12)年11月
入力:川山隆
校正:鈴木厚司
2008年10月15日作成
青空文庫作成ファイル:
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