盲人独笑
太宰治
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)編纂《へんさん》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)葛原|勾当《こうとう》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「凵<茲」、355−17]
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よる。まつのこのまより月さやかにみゆると。ひとの申さるるをききてよめる。
はなさきて。ちりにしあとの。このまより
すすしくにほふ。つきのかけかな
まだ。ほかにも。あるなれど。ままにしておけ。
――葛原勾当日記――
[#ここで字下げ終わり]
はしかき
葛原|勾当《こうとう》日記を、私に知らせてくれた人は、劇作家伊馬鵜平君である。堂々七百頁ちかくの大冊である。大正四年に、勾当の正孫、葛原|※[#「凵<茲」、355−17]《しげる》というお人に依《よ》って編纂《へんさん》せられ、出版と共に世人を驚倒せしめたものの様であるが、不勉強の私は、最近、友人の伊馬鵜平
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