冬の花火
―――三幕
太宰治
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)上手《かみて》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)もう三年|経《た》つ。
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#ここから3字下げ]
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人物。
数枝《かずえ》 二十九歳
睦子《むつこ》 数枝の娘、六歳。
伝兵衛《でんべえ》 数枝の父、五十四歳。
あさ 伝兵衛の後妻、数枝の継母、四十五歳。
金谷清蔵《かなやせいぞう》 村の人、三十四歳。
その他 栄一(伝兵衛とあさの子、未帰還)
島田哲郎(睦子の実父、未帰還)
いずれも登場せず。
所。
津軽地方の或る部落。
時。
昭和二十一年一月末頃より二月にかけて。
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第一幕
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舞台は、伝兵衛宅の茶の間。多少内福らしき地主の家の調度。奥に二階へ通ずる階段が見える。上手《かみて》は台所、下手《しもて》は玄関の気持。
幕あくと、伝兵衛と数枝、部屋の片隅《かたすみ》のスト
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