このせ》あるいは隠日《こもひ》とでもいふ漢字をあてはめたはうが、早わかりではなからうか、などと考へてひとりで悦にいつてゐる次第である。そのコモヒを歩いてゐたら、M薬品問屋の前に来た。私の父の生れた家だ。立ち寄らず、そのままとほり過ぎて、やはりコモヒをまつすぐに歩いて行きながら、どうしようかなあ、と考へた。この町のコモヒは、実に長い。津軽の古い町には、たいていこのコモヒといふものがあるらしいけれども、この木造町みたいに、町全部がコモヒに依つて貫通せられてゐるといつたやうなところは少いのではあるまいか。いよいよ木造は、コモヒの町にきまつた。しばらく歩いて、やうやくコモヒも尽きたところで私は廻れ右して、溜息ついて引返した。私は今まで、Mの家に行つた事は、いちども無い。木造町へ来た事も無い。或いは私の幼年時代に、誰かに連れられて遊びに来た事はあつたかも知れないが、いまの私の記憶には何も残つてゐない。Mの家の当主は、私よりも四つ五つ年上の、にぎやかな人で、昔からちよいちよい金木へも遊びに来て私とは顔馴染である。私がいま、たづねて行つても、まさか、いやな顔はなさるまいが、どうも、しかしA私の訪ね方
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