でせう。」新郎は、てれながらも余裕を見せた。
「とにかく、聞いてみませう。」私は路傍の畑で働いてゐるお百姓さんに、スフの帽子をとつてお辞儀をして、「この路を、洋服を着た若いアネサマがとほりませんでしたか。」と尋ねた。とほつた、といふ答へである。何だか、走るやうに、ひどくいそいでとほつたといふ。春の野路を、走るやうにいそいで新郎の後を追つて行く姪の姿を想像して、わるくないと思つた。しばらく山を登つて行くと、並木の落葉松の蔭に姪が笑ひながら立つてゐた。ここまで追つかけて来てもゐないから、あとから来るのだらうと思つて、ここでワラビを取つてゐたといふ。別に疲れた様子も見えない。この辺は、ワラビ、ウド、アザミ、タケノコなど山菜の宝庫らしい。秋には、初茸《はつたけ》、土かぶり、なめこなどのキノコ類が、アヤの形容に依れば「敷《し》かさつてゐるほど」一ぱい生えて、五所川原、木造あたりの遠方から取りに来る人もあるといふ。
「陽ちやまは、きのこ取りの名人です。」と言ひ添へた。また、山を登りながら、
「金木へ、宮様がおいでになつたさうだね。」と私が言ふと、アヤは、改まつた口調で、はい、と答へた。
「ありがた
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