、お互い様さ。茶屋酒のんで騒ぐばかりが友達じゃない。見れば、ひでえ身なりで、まあ、これがあの月夜の利左かい。わしたちにたった一言でも知らせてくれたら、こんな事になりはしなかったのに、ぼうふら売りとは洒落《しゃれ》が過ぎらあ。」と悪口を言いながら涙を流し、六右衛門は分別顔して、利左衛門の痩《や》せた肩を叩《たた》き、
「利左、でも、逢《あ》えてよかった。どこへ行ったかと心配していたのだ。お前がいなくなったら、淋《さび》しくてなあ。上方の遊びもつまらなくなって、こうして江戸へ出て来たが、お前と一緒でないと、どこの遊びも面白《おもしろ》くない。ここで逢《お》うたが百年目さ。どうだい、これから、わしたちと一緒に上方へ帰って、また昔のように四人で派手に遊ぼうじゃないか。お金の事や何かは心配するな。口はばったいが、わしたち三人が附《つ》いている。お前の一生は引受けた。」
と頼もしげな事を言ったが、利左は、顔を青くしてふんと笑い、そっぽを向きながら、
「何を言っていやがる。人の世話など出来る面《つら》かよ。わざわざこの利左をなぶりに上方からやって来たのか。御苦労な事だ。こっちは、これが好きでやってい
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