ものです。無闇《むやみ》な指図の他は、お逆らいでも何でも許してあげますから、男らしく、もっとはっきり言いなさい。ハムレットは、私たちの事を何と言っていました。」
 ホレ。「お気の毒だと、御同情申して居られました。」
 王妃。「御同情? お気の毒? へんですね。あなたは、また、かばっているのですね? ハムレットから、いろいろ口どめされたのでしょう。」
 ホレ。「いいえ、お言葉に逆らうようですが、ハムレットさまは、口どめなどと、そんな卑怯《ひきょう》な事をなさるお方ではありません。ハムレットさまは、その人に面《めん》とむかって言えない事は、陰でも決して申しません。言いたい事があると、必ず、面と向って申します。大学時代もそうだったし、いまだってそうです。だから、ハムレットさまは、いつも、そんばかりしています。」
 王妃。「あなたは、ハムレットの事になると、すぐそんなに口をとがらせて、大声になりますが、よっぽど気が合っているものと見える。ハムレットは、身分を忘れ、もの惜しみという事も知らない質《たち》だから、目下《めした》の者には人気があるようですね。」
 ホレ。「王妃さま。何をか言わむです。
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