ないんだ。ホレーショー、その外套《がいとう》を返しておくれ。こんどは、僕のほうで寒くなった。」
 ホレ。「お返し致《いた》します。ハムレットさま、いずれ明日、ゆっくりお話いたしたいと存じますが。」
 ハム。「望むところだ。ホレーショー、怒ったのかい? ああ、浪《なみ》の音が聞えるね。ホレーショー、僕は今夜、もっと大事の秘密も君に聞いてもらいたいと思っていたんだけど、も少し、つき合ってくれないか? 今の噂に就《つ》いても、もっと話合ってみたいし、それから、も一つ僕には苦しい秘密があるんだよ。」
 ホレ。「いずれ、明日、お互いに落ちついてからにしていただきたく存じます。今夜は、おゆるし下さい。僕も、ゆっくり考えてみたいと思っています。僕は、何せ、ジャケツを着て居りませんので。」
 ハム。「勝手にし給え。君は人の興奮の純粋性を信じないから駄目《だめ》だ。じゃ、まあ、ゆっくりお休み。ホレーショー、僕は不仕合せな子だね。」
 ホレ。「存じて居ります。ホレーショーは、いつでも、あなたの味方です。」

   四 王妃の居間

 王妃。ホレーショー。

 王妃。「私が、王にお願いして、あなたをウイッタ
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