寝る。そうして、いつも、遊ぶ事ばかり考えている。三種類の外国語に熟達したが、それも、ただ、外国の好色|淫猥《いんわい》の詩を読みたい為であった。僕の空想の胃袋は、他のひとの五倍も広くて、十倍も貪慾《どんよく》だ。満腹という事を知らぬ。もっと、もっとと強い刺戟《しげき》を求めるのだ。けれども僕は臆病《おくびょう》で、なまけものだから、たいていは刺戟へのあこがれだけで終るのだ。形而上《けいじじょう》の山師。心の内だけの冒険家。書斎の中の航海者。つまり、僕は、とるにも足らぬ夢想家だ。あれこれと刺戟を求めて歩いて、結局は、オフィリヤなどにひっかかり、そうして、それっきりだ。どうやら僕はオフィリヤに、まいってしまっているらしい。だらしの無い話だ。ドンファンを気取って修行の旅に出かけて、まず手はじめにと、ひとりの小娘を、やっとの事で口説き落したが、その娘さんと別れるのが、くるしくて一生そこに住み込んで、身を固めたという笑い話。まず、小手しらべに田舎娘をだましてみて、女ごころというものを研究し、それからおもむろにドンファン修行に旅立とうという所存でいたのに、その田舎娘ひとりの研究に人生七十年を使って
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