て居ります。ハムレットさまに捨てられても、あたしは、子供と二人で毎日たのしく暮して行けます。王妃さま。オフィリヤには、オフィリヤの誇りがございます。ポローニヤスの娘として、恥ずかしからぬ智慧《ちえ》も、きかぬ気もございます。あたしは、なんでも存じて居ります。ハムレットさまに、ただわくわく夢中になって、あのおかたこそ、世界中で一ばん美しい、完璧《かんぺき》な勇士だ等とは、決して思って居りません。失礼ながら、お鼻が長過ぎます。お眼が小さく、眉《まゆ》も、太すぎます。お歯も、ひどく悪いようですし、ちっともお綺麗《きれい》なおかたではございません。脚だって、少し曲って盾閧ワすし、それに、お可哀そうなほどのひどい猫脊《ねこぜ》です。お性格だって、決して御立派ではございません。めめしいとでも申しましょうか、ひとの陰口ばかりを気にして、いつも、いらいらなさって居ります。いつかの夜など、信じられるのはお前だけだ、僕は人にだまされ利用されてばかりいる、僕は可哀想な子なのだからお前だけでも僕を捨てないでおくれ、と聞いていて浅間しくなるほど気弱い事をおっしゃって、両手で顔を覆《おお》い、泣く真似をなさいまし
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