が、もし、王妃さまのお子でなかったら、あたしだって、こんな間違いは起こさなかったろうと思います。あたしは、みだらな女ではございませぬ。王妃さまの大事な大事なお子さまですから、あたしも、大事におあずかりしようと思ったのです。」
 王妃。「可愛い冗談ばかりおっしゃる。あなた達は、ふいと思いついた言葉を、そのまま、まことしやかに言い出すので、いつも私たちは閉口します。あなたが私を、少しでも好きだとしたら、それは、やっぱり私の身分のせいです。身分がきらきらしているので、それに眼がくらんで、のぼせ気味になって何でもかでも矢鱈に素晴らしく見えるようになったのでしょう。私は、つまらないお婆《ばあ》さんです。あなたが、ハムレットを拒み得なかったのも、ハムレットの身分のせいです。王妃の大事な子供だから、あなたも大事にしようと思いました等という突飛な意見は、私ひとりは笑って聞き流して、許してもあげますが、他《ほか》のひとにそんな事を言ったら、あなたは白痴か気違い扱いにされてしまいます。あなたが私を母と呼んで甘えたい、それが一ばんの喜びだと無邪気そうにおっしゃっていましたが、わかり切った事です。それは、あな
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