ン》を用いました。姉さんには僕のこんな気持、わからねえだろうな。
僕は下品になりたかった。強く、いや強暴になりたかった。そうして、それが、所謂《いわゆる》民衆の友になり得る唯一《ゆいいつ》の道だと思ったのです。お酒くらいでは、とても駄目だったんです。いつも[#「いつも」に傍点]、くらくら目まいをしていなければならなかったんです[#「くらくら目まいをしていなければならなかったんです」に傍点]。そのためには、麻薬以外になかったのです。僕は、家を忘れなければならない。父の血に反抗しなければならない。母の優しさを、拒否しなければならない。姉に冷たくしなければならない。そうでなければ、あの民衆の部屋にはいる入場券が得られないと思っていたんです。
僕は下品になりました。下品な言葉づかいをするようになりました。けれども、それは半分は、いや、六十パーセントは、哀れな附け焼刃でした。へたな小細工でした。民衆にとって、僕はやはり、キザったらしく乙《おつ》にすました気づまりの男でした。彼等は僕と、しんから打ち解けて遊んでくれはしないのです。しかし、また、いまさら捨てたサロンに帰ることも出来ません。いまで
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