私の著作集
太宰治

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)筈《はず》です。
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 最初の創作集は「晩年」でした。昭和十一年に、砂子屋書房から出ました。初版は、五百部ぐらいだったでしょうか。はっきり覚えていません。その次が「虚構の彷徨」で新潮社。それから、版画荘文庫の「二十世紀旗手」これは絶版になったようです。
 しばらく休んで、一昨年あたりから多くなりました。紙の質も、悪くなりました。一昨年は、竹村書房から「愛と美について」砂子屋書房から「女生徒」女生徒は、ことしの五月に再版になりました。
 昨年は、竹村書房から「皮膚と心」京都の人文書院から「思い出」河出書房から「女の決闘」が出ました。
 ことしは、実業之日本社から「東京八景」が出ました。二、三日中に、文芸春秋社から「新ハムレット」が出る筈《はず》です。それから、すぐまた砂子屋書房から「晩年」の新版が出るそうです。つづいて筑摩書房から「千代女」が、高梨書店から「信天翁」が出る筈です。「信天翁」には、主として随筆を収録しました。七月までには、みんな出るでしょう。
 少し休みたいと思います。私はことし三十三で
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