努力はない。一晩中よんでいられるような長い手紙をかこうと思ったのだ。ぼくは、いたちでない。ぼくは自分をりんごの木の様に重っぽく感ずることがある。他の奴とは口もきき度くない。君にだけならどんなことでも言える。この手紙を信じてくれなかったら、ぼくは死ぬ。敬四郎拝。」
月日。
「拝啓。突然ぶしつけなお願いですが、私を先生の弟子《でし》にして下さいませんか。私はダス・ゲマイネを読み、いまなお、読んでいます。私は十九歳。京都府立京都第一中学校を昨年卒業し、来年、三高文丙か、早稲田か、大阪薬専かへ行くつもりです。小説家になるつもりで、必死の勉強しています。先生、どうか私を弟子にして下さい。それには、どんな手続きが必要でしょうか。偉大なる霊魂はただ偉大なる霊魂によって発見せられるのみであると、辻潤が言っています。私は、少しポンチを画く才能をもち、文学に対する敏感さをも、持っています。上品な育ちです。けれども、少しヘンテコです。クリスチャンでもあり、スティルネリアンでもあるというあわれな男です。どうか御返事を下さい。太宰イズムが、恐ろしい勢で私たちのグルウプにしみ込みました。殆ど喜死しました。さよ
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