ろいろその改善を企図することもあるけれども、これはどうにも死ななきゃ直らないというような程度に迄《まで》なっているようです。
 私も、もう三十九になりますが、世間にこれから暮してゆくということを考えると、呆然とするだけで、まだ何の自信もありません。だから、そういういわば弱虫が、妻子を養ってゆくということは、むしろ悲惨といってもいいのではないかと思うこともあります。



底本:「太宰治全集10」ちくま文庫、筑摩書房
   1989(平成元)年6月27日第1刷発行
底本の親本:「筑摩全集類聚版太宰治全集」筑摩書房
   1975(昭和50)年6月〜1976(昭和51)年6月
初出:「小説新潮」
   1947(昭和22)年11月1日発行
入力:土屋隆
校正:noriko saito
2005年3月17日作成
青空文庫作成ファイル:
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