占売り
おさらい
常磐津、清元、歌沢
お会式
菊と紅葉
酉の市
鍋焼饂飩と稲荷鮨
からッ風
納豆と朝湯
歳の市
大晦日
見附と御門
江戸芸者と踊子
人情本と浮世絵
見番と箱屋と継ぎ棹
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[#地から4字上げ]挿画・江戸川朝歌
[#地から4字上げ](竹久夢二の別名)
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 江戸ッ児の文明は大川一つ向岸に追いやられて、とうとう本所深川の片隅に押込められてしまった。然らばすなわち、今の東京に江戸趣味は殆んど全く滅ぼしつくされたろうか。いいえさ、まだ捜しさいすりゃァ随分見つけ出すことが出来まさァね。
 さ、そこで、少し思う仔細があるのでそこはかとなく漁って見たら、こんなものが拾い出されたようなわけで、残されたる江戸だなんて、ごたいそうもないこと。実はそんじょそこらのお人の悪い御仁にツイそそのかされて、例のおッちょこちょいから、とんだ囈言《うわごと》までもかくの如しという始末、まァ長え眼でごろうじて下せいと、あなかしこあなかしこ

 空に五月の鯉の翻る朝
[#地から1字上げ]著者
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残されたる江戸
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 江戸ッ児の教育



 十九世紀に遺された
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