るところの精神がありませぬあいだは、神はわれわれにとって異邦人であります。それゆえにわれわれは神がわれわれに知らしたことをそのまま実行いたさなければなりません。こういたさねばならぬと思うたことはわれわれはことごとく実行しなければならない。もしわれわれが正義はついに勝つものにして不義はついに負けるものであるということを世間に発表するものであるならば、そのとおりにわれわれは実行しなければな轤ネい。これを称して真面目なる信徒と申すのです。われわれに後世に遺すものは何もなくとも、われわれに後世の人にこれぞというて覚えられるべきものはなにもなくとも、アノ人はこの世の中に活きているあいだは真面目なる生涯を送った人であるといわれるだけのことを後世の人に遺したいと思います。(拍手喝采)
底本:「後世への最大遺物 デンマルク国の話」岩波文庫、岩波書店
1946(昭和21)年10月10日第1刷発行
1976(昭和51)年3月16日第30刷改版発行
1994(平成6)年8月6日第64刷発行
入力:ゆうき
校正:吉田亜津美
1999年12月31日公開
2003年6月1日修正
青空文庫作成ファイル:
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