和尚さんと小僧
楠山正雄
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)大《たい》そう
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)ある日|和尚《おしょう》さんは
[#]:入力者注 主に外字の注記や傍点の位置の指定
(例)[#ルビの「ゆう」はママ]
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一
大《たい》そうけちんぼな和尚《おしょう》さんがありました。何《なに》かよそからもらっても、いつでも自分《じぶん》一人《ひとり》でばかり食《た》べて、小僧《こぞう》には一つもくれませんでした。小僧《こぞう》はそれをくやしがって、いつかすきを見《み》つけて、和尚《おしょう》さんから、おいしいものを召《め》し上《あ》げてやろうと考《かんが》えていました。
ある日|和尚《おしょう》さんは檀家《だんか》から、大《たい》そうおいしいあめをもらいました。和尚《おしょう》さんはそのあめをつぼの中に入《い》れて、そっと仏壇《ぶつだん》の下にかくして、ないしょで独《ひと》りでなめていました。
ところがある日、和尚《おしょう》さんは、用事《ようじ》があって外《そと》へ出て行きました。出て行きがけに、和尚《
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