の姿《すがた》になって、空《そら》に飛《と》び上《あ》がりました。そして綱《つな》が刀《かたな》を取《と》って追《お》いかけるひまに、破風《はふ》をけ破《やぶ》って、はるかの雲《くも》の中に逃《に》げて行きました。
綱《つな》はくやしがって、いつまでも空《そら》をにらめつけていました。
でも鬼《おに》はそれなりもうふっつりと姿《すがた》を現《あらわ》しませんでした。都《みやこ》の中でも鬼《おに》のうわさはぱったり止《や》みました。
底本:「日本の英雄伝説」講談社学術文庫、講談社
1983(昭和58)年6月10日第1刷発行
※「家来は 気の毒そうに」の空白と、「おばあさん」「おばさん」の混用は底本のままです。
入力:鈴木厚司
校正:大久保ゆう
2003年9月29日作成
青空文庫作成ファイル:
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