とはこたえました。
このかんがえが、しっきりなし、エリーザの心にはたらいていました。それでエリーザは神さまのお助けを熱心にいのりました。それはねむっているあいだもいのりつづけました。するうち、エリーザはたかく空のうえに舞い上がって、しんきろうの雲のお城までもとんでいったようにおもいました。すると、うつくしいかがやくような妖女《ようじょ》がひとり、おむかえにでて来ました。ところでその妖女が、あの森のなかでいちごの実をくれて、金のかんむりをあたまにのせたはくちょうの話をしてくれたおばあさんによくにていました。
「おにいさまたちは、もとの姿にもどれるだろうよ。」と、その妖女《ようじょ》はいいました。「でも、おまえさんにそこまでの勇気と辛抱があるかい。ほんとうに、水はおまえのきゃしゃな手よりもやわらかだ。けれどもあのとおり石のかたちを変える。でもそれをするには、おまえさんの指がかんじるような痛みをかんじるわけではない。あれには心がない。おまえさんがこらえなければならないような苦しみをうけることもない。だからおまえさん、そら、あたしが手に持っているイラクサをごらん。こういう草はおまえさんが眠っ
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