眠る森のお姫さま
ペロー Perrault
楠山正雄訳
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)願《がん》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)一|万《まん》
[#]:入力者注 主に外字の注記や傍点の位置の指定
(例)つむ[#「つむ」に傍点]
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一
むかしむかし、王様とお妃がありました。おふたりは、こどものないことを、なにより悲しがっておいでになりました。それは、どんなに悲しがっていたでしょうか、とても口ではいいつくせないほどでした。そのために、世界じゅうの海という海を渡って、神様を願《がん》をかけるやら、お寺に巡礼《じゅんれい》をするやらで、いろいろに信心《しんじん》をささげてみましたが、みんな、それはむだでした。
でもそのうち、とうとう信心のまことがとどいて、お妃に、ひいさまの赤ちゃんが生まれました。それでさっそく、さかんな洗礼《せんれい》の式をあげることになって、お姫《ひめ》さまの名づけ親になる教母《きょうぼ》には、国じゅうの妖女《ようじょ》が、のこらず呼び出されました。その数は、みんなで七人でした。そのじぶ
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