赤いくつ
DE RODE SKO
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen
楠山正雄訳

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)甲《こう》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)大|舞踏会《ぶとうかい》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#挿絵(fig42378_01.png)入る]
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[#挿絵(fig42378_01.png)入る]
 あるところに、ちいさい女の子がいました。その子はとてもきれいなかわいらしい子でしたけれども、貧乏だったので、夏のうちははだしであるかなければならず、冬はあつぼったい木のくつをはきました。ですから、その女の子のかわいらしい足の甲《こう》は、すっかり赤くなって、いかにもいじらしく見えました。
 村のなかほどに、年よりのくつ屋のおかみさんが住んでいました。そのおかみさんはせっせと赤いらしゃの古切れをぬって、ちいさなくつを、一足こしらえてくれていました。このくつはずいぶんかっこうのわるいものでしたが、心のこもった品で、その女の子にやることになっ
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