《こえ》で、
「何《なん》だ、二十日《はつか》ねずみか、うるさいぞ。」
といいました。その間《ま》に女《おんな》は櫃《ひつ》に穴《あな》をあけて、ぐらぐら煮《に》え立《た》っているお湯《ゆ》を穴《あな》からつぎ込《こ》みますと、中で、
「あつい、あつい。」
とさけびながら、山姥《やまうば》はどろどろに煮《に》えくずれて、死《し》んでしまいました。女は山姥《やまうば》を殺《ころ》して、女の子といっしょにうちへ帰《かえ》りました。この人ももとは山姥《やまうば》にさらわれて、こんな所《ところ》に来《き》ていたのでした。
底本:「日本の諸国物語」講談社学術文庫、講談社
1983(昭和58)年4月10日第1刷発行
入力:鈴木厚司
校正:土屋隆
2006年9月21日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
前へ 終わり
全10ページ中10ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
楠山 正雄 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング