かれにいい知らせを伝《つた》えようとした。
 もう、バルフルールに着いたときは、夕方おそくなっていたので、ボブの兄弟はわたしたちによければ今夜|一晩《ひとばん》船の中でねて行ってもいいと言った。
「おまえさんがまたイギリスへ帰りたいと思うときには」とそのあくる朝、わたしたちがさようならを言って、かれの骨折《ほねお》りを感謝《かんしゃ》すると、こう言った。「エクリップス号は毎火曜日ここから出帆《しゅっぱん》するのだから、覚《おぼ》えておいで」
 これはうれしい好意《こうい》であったが、マチアにもわたしにも、てんでん、この海を二度とわたりたくない……ともかくも、ここしばらくはわたりたくないわけがあった。
 運よくわたしたちのかくしには、ボブの興行《こうぎょう》を手伝《てつだ》ってもうけたお金があった。みんなで二十七フランと五十サンチームあった。マチアはボブに二十七フランを、わたしたちの逃亡《とうぼう》のために骨《ほね》を折《お》ってくれた礼にやりたいと思ったが、かれは一スーの金も受け取らなかった。
「さてどちらへ出かけよう」わたしはフランスへ上陸《じょうりく》するとこう言った。
「運河《う
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