れば外へぼくたちが出てもいいというのだ」
「たったそれだけしか言わないの」とわたしはこの翻訳《ほんやく》がたいへん簡単《かんたん》すぎると思って言った。
 マチアはまごついたようであった。
「そのほかのことばはよくわかったか、どうだか知らない」とかれは言った。
「ではわかったと思うだけ言いたまえ」
「なんでもあの人は、ぼくたちも町でなにか商売でもして、一もうけして来るがいい。ただ飯《めし》を食われてはやりきれない、というようなことを言っていたと思う」
 祖父《そふ》はかれの言ったことを、マチアが説明《せつめい》して聞かしているとさとったものらしく、中気《ちゅうき》でないほうの手でなにかをかくしにおしこもうとするような身ぶりをして、それから目配せをして見せた。
「出かけよう」とわたしはすぐに言った。
 二、三時間のあいだわたしたちはそこらを歩き回ったが、道に迷《まよ》ってはいけないと思って遠くへは行かなかった。ベスナル・グリーンは夜見るよりも昼見るとさらにひどい所であった。マチアとわたしは、ほとんど口をきかなかった。ときどきかれはわたしの手をにぎりしめた。
 わたしたちがうちへ帰ったとき
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