げい》は種切《たねぎ》れであった。そこでまた場所を変《か》えて、まだ見ない見物の前で、これらの狂言《きょうげん》を、相変《あいか》わらず、『下剤をかけた病人』か、『正義の勝利』をやらなければならなかった。
しかし、ボルドーは大都会である。見物は容易《ようい》に入れかわったし、場所さえ変えると毎日三、四回の興行《こうぎょう》をすることができた。それでもカオールに行ったときのように、『いつでも同じことばかりだ』とどなられるようなことはなかった。
ボルドーを打ち上げてから、わたしたちはポーへ行かなければならなかった。そのとちゅうでは大きなさばくをこえなければならなかった。さばくはボルドーの町の門からピレネーの連山《れんざん》まで続《つづ》いていて、『ランド』という名で呼《よ》ばれていた。
もうわたしもおとぎ話にある若《わか》いはつかねずみのように、見るもの聞くものが驚嘆《きょうたん》や恐怖《きょうふ》の種《たね》になるというようなことはなかった。それでもわたしはこの旅行の初《はじ》めから、親方を笑《わら》わせるような失敗《しっぱい》を演《えん》じて、ポーに着くまで、そのためなぶられどお
前へ
次へ
全320ページ中114ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
楠山 正雄 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング