ルンペルシュチルツヒェン
RUMPELSTILZCHEN
グリム兄弟 Bruder Grimm
楠山正雄訳

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)首《くび》かざり

[#]:入力者注 主に外字の注記や傍点の位置の指定
(例)まきわく[#「まきわく」に傍点]
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 むかし、あるところに、こなやがありました。水車小屋でこなをひくのを商売にして、まずしくくらしてはいましたが、ひとり、きれいなむすめをもっていました。
 ところで、ひょんなことから、このこなやが、王さまとむかいあって、お話することになりました。そこで、すこしばかり、ていさいをつくろうため、粉屋はこんなことをいいました。
「わたくしに、むすめがひとりございますが、わらをつむいで、金にいたします。」
 王さまは、こなやの話を聞いて、
「ほほう、それはめずらしいげいとうだね。ほんとうに話のとおり、おまえのむすめに、そんなきようなことができるなら、さぞおもしろいことであろう。では、あした、さっそく城へつれてくるがいい。ひとつ、わたしがためしてみてやろう。」と、いいました。
 さて、むすめが、いやおうなし、王
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