ひこうかばん
DEN FLYVENDE KOFFERT
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen
楠山正雄訳
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)小路《こうじ》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)新聞|種《だね》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#挿絵(fig42385_01.png)入る]
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[#挿絵(fig42385_01.png)入る]
むかし、あるとき、お金持のあきんどがありました。どのくらいお金持だといって、それは町の大通のこらず銀貨で道をこしらえて、そのうえ横町の小路《こうじ》にまでそれをしきつめて、それでもまだあまるほどの[#「ほどの」は底本では「ほのど」]お金を持っていました。でも、このあきんどは、そんなことはしません。もっとほかにお金をつかうことをかんがえて、一シリングだせば、一ターレルになってもどってくる工夫をしました。まあ、そんなにかしこいあきんどでしたが――そのうち、このあきんども死にました。
そこで、むすこが、のこらずのお金をも
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