も少なくないのであります。ですからこれも改良する余地は充分あると考えられるのです。
関西地方で饂飩屋が出前を持ち運ぶ蓋付の箱、あるいは西洋料理店で使用しているごとき皿の下に敷く重ね輪なり、仕出し箱を使用することにすれば、瀬戸物の器でも差し支えなしと存じます。
次に店舗でありますが、某蕎麦屋の主人が、著者に話されたことでありますが、一つ店の内部をカウンタ式にしたらば如何でしょうということで、これには著者も同意したことであります。それは一般にとは申されませんが、よいとなると大衆向きになりましょうと答えたことで、停車場のプラットホームでも蕎麦好きの人は、この短時間を利用して食べているのですから、店舗の内部中央に釜場をしつらえそこへ流し場もつけ、水道より絶えず清水を利用し、タイル張りにして特別清潔にして三方をカウンタ式となし、今日おでん屋がやっているようにしたならば、最も理想的な、そうして大衆向きの蕎麦屋となろうというのであります。乞う御一考を蕎麦屋主人に。
底本:「日本の名随筆 別巻19・蕎麦」作品社
1992(平成4)年9月25日第1刷発行
底本の親本:「栄養と蕎麦料理集成
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