地主による半農奴的な搾取がつづけられている。労働者は、ヨーロッパの労働者と同様の生産性をもっていながら、殖民地の労働者と同じ状態におかれている。「飢餓的労働賃銀、長い労働時間、兵士のような束縛、年期契約労働、社会立法の欠如と完全な政治的無権利――これこそ、日本労働者階級の状態を特徴づけるものだ。」(日本の状勢、日本共産党[#「日本共産党」に×傍点]の任務)(独文「コンミュニスト・インテルナチョナーレ」)
 そして、労働者・農民に対するブルジョア・地主の搾取の基礎の上に、野蛮な天皇制[#「天皇制」に×傍点]支配が根を下しているのだ。日本帝国主義は、国内においては、農村の半封建的搾取、労働者の殖民地的搾取、国外においては、暴力的・軍事的に隣接民族を併呑《へいどん》、侵略、殖民地化して、成長してきたのである。そして、有名な「田中覚え書」が示すように侵略政策こそ、二つの搾取階級の野蛮な代表者、天皇制[#「天皇制」に×傍点]支配の政策であったのだ。
 それだから、日本労働者・農民の前衛は、ブルジョア民主主義革命[#「革命」に×傍点]を通じて強行的にプロレタリアートの独裁[#「独裁」に×傍点]に到
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