て之等の指導者が国内において強大な権威を有していることは決して偶然なことではない。
第二に、党が行政諸機関の活動や諸官庁の活動を検閲し、犯された欠点や誤謬を除去し、これらの機関が政府の命令を遂行するのを援助し、又之に大衆の支持の保証を与える為に努力し且つ同時にこれらの諸機関は党の指示なしには何等の重要な決議もなし得ないという点に現われている。
第三に、各官庁が、工業及び農業、商業或は文化的施設の方面に関して活動計画を立案する場合には、党は、これらの計画の施行期間中におけるこれら諸機関の活動の性質及び傾向を規定するところの一般的方針を与える、という点に現われている。
通常、ブルジョア新聞は、国務に対する党のかかる『干渉』に対して『驚異』を示している。だがかかる『驚異』は全く虚偽である。資本主義諸国に於いてブルジョア諸政党が正に此の如く国務に『干渉』し且つ政府を指導し、而も此場合この指導権は、いろいろの方法で大銀行と結合しているところの、従って又その役割を民衆の目から隠蔽しようとしているところの人々の小集団の手に集中されているということは周知のことである。イギリス或はその他の資本主義諸国における一切のブルジョア政党の中には自己の手に指導権を集中している人々の小集団によって形成された秘密の内閣が存在している事を知らない者があろうか?」
プロレタリアート独裁の国家にあって、共産党はかくの如き方法で広汎なる大衆と結合し、それを指導しているのだ。
世界資本主義国の間に流行するソヴェト同盟に関するデマゴギーの種類は雑多であり、それらのデマゴギーは常にブルジョア世界観の卑劣さ、自信のない利己主義を曝露している。ソヴェト同盟におけるこのプロレタリアート独裁の問題も革命当時から最も多くの塵埃をぶつけられた問題であった。ブルジョア共は、階級としてのプロレタリアートの独裁を歪めて、いつもレーニンの独裁であるとか、スターリンの独裁であるとか云った。最も嗤《わら》うべき例として、ソヴェト同盟は国家保安部《ゲー・ペー・ウー》の独裁であるというものさえある。
日本においても、これらのデマはブルジョア・地主的天皇制[#「天皇制」に×傍点]の政府によって、盛んに撒き散らされている。しかし、プロレタリアートはプロレタリアートの独裁[#「独裁」に×傍点]が資本主義から共産[#「共産」に×傍点]
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