導く方向を目指して継続すること。
三、革命の武装、国外の敵、即ち帝国主義との闘争のための革命軍の組織。
[#ここで字下げ終わり]
 プロレタリアートの独裁[#「独裁」に×傍点]はこれらの任務の遂行のために必要なのである。このプロレタリア独裁[#「独裁」に×傍点]は、出来合の国家機関で間に合すことは出来ない。
「労働者階級は単に出来合の国家機関を占領して、それを自分自身の目的のために運転することは出来ぬ」(マルクス)プロレタリアートは自身の新しい国家機関を組織するためには、旧い国家権力を解体し、粉砕し、それを全く廃棄しなければならぬ。このことはプロレタリアートの武装による独裁[#「独裁」に×傍点]によってのみ可能である。「独裁[#「独裁」に×傍点]は新しい階級が旧い国家機関の助けによって命令し、管理するということのあるを許さない。反対に新しい階級がこの機関を粉砕し、新しい機関の助けによって命令し、管理するということにあるのでなければならぬ。」
「ソヴェトこそ、ブルジョア民主主義をプロレタリア民主主義におきかえ、プロレタリアの国家機関の基礎となる新しい組織形態である。プロレタリア独裁[#「独裁」に×傍点]の国家形態としてのソヴェト権力は、旧き組織形態と比べて比較にならぬ『力』を持っている。」
「それは、ソヴェトが最も包括的なプロレタリアートの大衆組織である点である。何故ならソヴェトは、そしてソヴェトのみがすべての労働者を例外なく獲得するからである。それは、ソヴェトがすべての被圧迫者と被搾取者、労働者と農民、兵士及び水夫を包括する唯一の大衆組織であり」、「大衆自身の直接の組織、即ち最も民主主義的な、従って最も権威ある大衆組織であり、新国家の建設及びその行政への参加を極めて容易くすると共に旧国家の破壊、新国家の建設、プロレタリア秩序のための闘争において、大衆の革命的勢力、創意及びその創造力を遺憾なく発揮せしめ得る点にある」(スターリン)
 我々は、次にこのソヴェト権力の特質を見よう。
 (一)「ソヴェト権力は、階級が存在する限りはあらゆる国家組織の中での最も偉大な且つ最も民主主義的な組織である。」しかしそれは、労働者と貧農が搾取者に対して結合し、勤労者多数者が搾取する少数者に対して支配する国家である。
 だから、プロレタリアートの独裁[#「独裁」に×傍点]を非難する「自由主
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