は、これらの任務を達成することは、決して遠い将来のことと思ってはいけない。ソヴェト同盟の兄弟は、実に、闘争によって、我々が今掲げているスローガンに相当する目的を美事に闘いとり、遂にプロレタリア革命[#「革命」に×傍点]を通じて支配者となったのだ。彼等は、野蛮なツァー[#「ツァー」に×傍点]を倒し、ブルジョア・地主の政府を倒し、遂に今日の幸福な生活を戦いとったのである。彼らは、我々が今掲げているスローガン「帝国主義戦争を内乱[#「内乱」に×傍点]へ転化し」武器を支配階級に向け、今日の赤軍をつくった。
我々も、ソヴェト同盟の兄弟たちの英雄的闘争に学ぼうではないか。既に、我々のところにも、労働者・農民の大衆的闘争は、革命的プロレタリアートの指導の下にまき起っている。我々は、我々の闘争を更に勝利の確信をもって、戦うため、そして多くの教訓を得るために、いかなる闘争を通じてソヴェト同盟の兄弟たちは、勝利をかち得たかを次にみよう。
二、ソヴェト同盟の兄弟たちは、どんな闘争を通じて勝利を得たのか
今から十五年前まで、ロシア勤労大衆の生活というものは、ヨーロッパ資本主義国の中でも、最悪のものであった。皇帝《ツァー》は絶対専制主義で、大地主であり同時に大資本家であった。土地は大地主に独占され、僅か「七百人の地主が平均して各々三万デシャチンの田地を処理し、この七百人が、六十万の小所有者の三倍の田地を所有している」(レーニン)ほどであった。当時のロシア農民は高率な小作料をいたぶられ、しかも丁度日本における地主が小作料の封建的搾取のみを行って、近代企業として農業の機械化などを考慮しなかったと同じく、原始的な耕作法に放置せられておった。大地主は、農地全面積の四分の三を占めていたが、その五分の一しか耕作されていなかった。
工場の労働者の生活がどんな非人間的条件であったか、「搾るための物を言う家畜」として扱われていたかは、ロシア全土の文盲率が世界資本主義国第一位を占めていたのでも明らかである。ロシアの労働者の労働賃銀は、西欧のそれより幾倍も安かった。外国資本が国の工業に喰い入っていた。労働時間は十時間から十三時間で、繊維労働者は一ヵ月十五(円)の賃銀さえやっととった。〔三字伏字〕の搾取、抑圧のための政府は、全力をつくしてこのような劣悪な生活条件を蹴散らして、奮起しようとす
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