旅人(一幕)
宮本百合子

−−
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)株《かぶ》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)朝|鸛《こう》の鳥が

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)人物[#「人物」は太字]
−−

    人物[#「人物」は太字]
[#ここから2字下げ]
旅人
子供三人
A 無邪気な晴れ晴れしい抑揚のある声の児
B 実用的な平坦な動かない調子で話す児
C 考え深い様な静かな声と身振りの児
[#ここで字下げ終わり]
    場所[#「場所」は太字]
[#ここから2字下げ]
小高い丘の上、四辺のからっと見はらせる所(講堂の段の上を丘に仮定)
[#ここで字下げ終わり]
    時[#「時」は太字]
[#ここから2字下げ]
夏の夕暮に近い午後

[#ここから4字下げ]
B、Cが丘の中程の木の切り株《かぶ》に並んで腰をかけて、編物をして居る。
B子は赤い毛糸。
C子は青い毛糸。
編棒を動かしながら二人は気が落ついて居るらしい口調で話して居る。
[#ここで字下げ終わり]

[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
B ね
次へ
全9ページ中1ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング