盟の働く婦人たちの暮しぶりを見てどう思うか、日本の婦人たちはどう暮しているか、こまごまときいて手帖へ書いていましたが、あくる朝『労働者新聞』を見たら、それがちゃんと載っていました。ソヴェト同盟のあらゆる工場や農場には十万人もの通信員がいて、こうした婦人通信員はその何割かをしめ、何千人といるのです。

 われわれはサークルの中からどしどし婦人通信員を送り出さねばなりません。工場や農村で実際に働き、ブルジョア、地主の搾取と闘いながら、その体験を文学の形にあらわすところにこそ婦人通信員のねうち[#「ねうち」に傍点]と力はあるのです。

 今年もまたメーデーが近づきましたが、この頃は一体どうでしょう。戦争になれば景気がよくなるとブルジョアどもは吹き立てるが、失業者は現にふえる一方、賃銀は物価騰貴で三、四割減ったも同然です。農村では肥料を買う金さえない。
 製糸女工さんの賃銀は日に十二銭です。ガスよけマスク、飛行機、爆弾、そういうものを拵えてしこたま儲けている工場がどんなひとの使いようをするかといえば、臨時雇いで、しかも給料のやすいおとなしい女ばかりを多く雇う。一日十一時間半も働かす。
 満州を
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