婦人の創造力
宮本百合子
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題は「婦人の創造力」という、何となし難かしそうな題目ですけれども、話の内容はそうぎごちないものでなく、昔から女の人で小説を書いた人があります、そういう人の文学が日本の社会の歴史の中でどんな風に扱われて来たか、また婦人はどんな風に小説を書いて来たか、今日私どもはどんな小説を書きたいと思っているか、或は将来女の人がどんな小説を書けるような世の中になって行くだろうかという風なことを、お話してみたいと存じます。
女の人が文学の仕事をしたというとき、いちばん先に考えられるのは「源氏物語」です。「源氏物語」は立派な小説であり、紫式部がなかなか立派な小説家であったことは、作品を読めば分ります。けれども、その後の日本でこの作品がどんな風に扱われて来たかと考えて見ると、大変興味があります。昔から国文学者は「源氏物語」の立派さをいろいろな角度から研究して、ちょうどヨーロッパでシェークスピア字引
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