り、目を据えて、体をふり、寸刻も手をやすめず働く女工たちと生活した。彼女もそうやって少女の肩をはり目をすえて働かねばならなかった。そうして少女たちをこきつかうこと、ましてやすい不具の少女たちを働かせる社長の才覚が、「そして、もっとおもしろいことは、びっこの子供などをこの仕事につかっていることだった」という風に、作者の観察の本質を理解させないほどの奴隷の言葉で表現されなければならないとき、作家の性根というものは、どういう場所におかれていたのだろう。
 新四軍から日本軍に捕えられて働かされている若い女性をこの作者が好意的に描こうとしても、唯若い女の少女っぽい美しさ、可愛らしさとしてしか語れず、僅に、その娘が、今の境遇について「明らさまには申上げられません」と答えた、そのすばしこさに微笑するという位にしかかけないとき、しかもすべて読者は、書かれた範囲で読むしかないものであるとき、文学としての客観的な真実は作者の主観がどうであるにかかわらず、真実として保ち得なかったのであった。
 網野菊が、ジャーナリズムから派遣されて初めの頃満州へ行ったが、その文筆のもち味が、必要なアッピールをもたないという
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