、存続の保証を得ようとしている。日本のすべての心に戦争の恐怖があり、ファシズムの専横と独裁への嫌悪がある。国際事情にふれる機会が少ない上、まだイエスとノーをはっきり区別して社会的発言をする習慣がゆきわたってしまわないうちに、この戦争とファシズム独裁に対する人民の嫌悪感を逆に利用して、真の戦争反対者、民族の自主生活を希望するものの上にその名を冠らせ、人民の中から真面目に戦争挑発に反対する要素をとりのぞこうとする方策は、ファシストとして愚策とは考えられていないだろう。ファシストは自分と同じ民族に属する人民の社会的判断力をいつも過少評価するのが特徴の一つである。自身の潰滅だけが彼等に理解される失敗のすべてである。
わたしたちはポツダム宣言をもう一度、もう二度三度とくりかえしてよんで見る必要がある。そこに日本の自立と人民の民主生活がどう語られているかを会得する必要がある。
世界にはアメリカ・ソヴェトをふくむ五十数ヵ国の婦人があつまって組織した世界民主婦人連盟がある。八〇〇一万余の世界の婦人が、それぞれの国の民主化と世界平和とのために活動している。最近の定期大会では、世界平和の確保のために一
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